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 高力ボルトと摩擦接合

1.高力ボルトのセット
(ステンレス構造建築協会「高力ボルト認定工場製品」とする)

 ステンレス鋼高力ボルトのセットは、JIS B 1186「摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット」に規定する2種Aとする。
 ただし、材質については、ステンレス構造建築協会規格SSBS 301「構造用ステンレス鋼高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット」(10T-SUS、10-SUS、35-SUS)による。

■ボルトの機械的性質

ボルトの
機械的性質
による等級
耐力
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
絞り
%
硬さ
HRC
呼び 有効
断面積
mm2
引張荷重
(最小)
kN
10T-SUS 900
以上
1000

1200
14
以上
40以上 27

38
M12 84.3 85
M16 157 157
M20 245 245
M22 303 303
M24 353 353

■ナットの機械的性質

ナットの機械的性質による等級 硬さ 保証荷重
最小 最大
10T-SUS 95HRB 35HRC ボルトの引張荷重(最小)に同じ

■座金の硬さ

座金の機械的性質による等級 硬さ
35-SUS 35〜45HRC

■ボルトセットのトルク係数値

区分 トルク係数値によるセットの種類
トルク係数値の平均値 0.110〜0.150
トルク係数値の標準偏差 0.010以下


 ステンレス鋼高力ボルトは、上記のように、SUS630(析出硬化系ステンレス)を使用しており、一般大気環境では、炭素鋼に比べて優れた性能を有するものの、塩素イオンが存在する海水などに接触し、かつ乾湿の繰返しによる塩素イオンの凝縮するような環境では、耐久性の面で十分な性能とはいえない場合があります(さびおよび応力腐食割れの発生)ので、使用環境には留意することが肝要です。


2.摩擦面の処理
(接合施工管理は、ステンレス鋼高力ボルト接合施工技術者とする)

 摩擦接合部を構成する二つの摩擦面は、一方の面をディスクサンダー掛けやブラスト処理等により表面粗度35μmRy以上の粗面とし、他方の面を下表に示す@またはAを施す。なお、炭素鋼との異材接合の場合、ステンレス鋼の面は@またはAとし、炭素鋼の面にはディスクサンダー掛けやブラスト処理等により表面粗度35μmRy以上の粗面とした後、ジンクリッチペイント塗装処理(平均膜厚75μm程度)を施す。

項目 @無機ステンレス粉末入塗装処理 Aステンレス粉末プラズマ溶射処理
素地調整 ディスクサンダー掛けやブラスト処理を施し、表面粗度35μmRy以上にし、表面の塵埃、油脂等を取り除く。 粒度#24〜#100程度のブラスト材を用いてブラスト処理を施し、表面の塵埃、油脂等を取り除く。
表面処理材 無機ステンレス粉末入塗料* ステンレス鋼粉末
表面処理方法 平均膜厚75μm程度塗装する。 平均膜厚100μm程度プラズマ溶射する。
表面
ステンレス構造建築協会規格SSBS 501「摩擦接合用無機ステンレス粉末入塗料」規格品とする。(製品については、日塗化学(株)にお問い合わせ下さい。)


3.締付け施工
(締付け検査は、ステンレス鋼高力ボルト接合施工技術者とする)

 ボルトの締め付けは下記の手順によりナット回転法で締付け施工する。

手順1 1次締め プレセット形トルクレンチを用いて下図に示すトルク値で1次締めを行う。

ボルトの呼び径 1次締めトルク(N・m
M12 約 50
M16 約100
M20・M22 約150
M24 約200
手順2 マーキング 1次締め後、ボルト、ナット、座金および部材にわたるマーキングを施す。
手順3 本締め 本締めは、専用レンチ等を用いて1次締め後のマーキングを起点としてナットを120°(M12は60°)回して締付けるナット回転法で行う。
手順4 締付け後の検査 @締め付け完了後すべての高力ボルトについて1次締め後に付したマークより、所要のナット回転量が与えられているかどうか確認する。

A一次締め後のナット回転角が120±30°(M12は60、+0〜+30°)の範囲にあるものを合格とする。

Bこの範囲を超えて締付けられたボルトは、取替え、また、ナット回転量の不足しているものについては、所要のナット回転量まで追い締めする。

C共まわりしているボルトは取り替える。一度使ったボルトは再使用しない。


4.接合施工管理・締付け検査

 接合施工管理・締付け検査は、「ステンレス建築構造物技術者・技能者認定規程」に基づく「ステンレス鋼高力ボルト接合施工技術者」が行う。


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